みみの会社のブログ_JINO

耳に関するヒト・モノ・コトについてご紹介するブログです。

JINOがお客様と一緒に作りたいこと<代表インタビュー:耳のそうだん室が目指すこと編>

代表の郷司が、JINOは聞こえに課題を持つかたにとってどんな存在でありたいと考えているのか、インタビューをしていただいた後編です。(前編はこちらからどうぞ)

聞き手は「途上国から世界に通用するブランドを作る」ことをミッションに、「モノづくり」を通じて「途上国」の可能性を世界中のお客様に届けているマザーハウス副社長の山崎大祐さん。2020年3月9日に創業14年目に入る山崎さんがJINOを応援してくださっている大先輩として、JINOの店舗に対する思いを聞いていただきました。

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インタビュアー:山崎大祐さん

株式会社マザーハウス / 代表取締役副社長

1980年、東京都生まれ。2003年慶應義塾大学総合政策学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券エコノミストを経て06年に「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念とする(株)マザーハウスを共同創業、07年に取締役副社長として経営に参画。19年から代表取締役副社長。ほかにも(株)Que社外取締役、日本ブラインドサッカー協会外部理事なども務める。

マザーハウスHP:https://www.mother-house.jp/

 

安心できる拠り所になりたい

山崎 お店について伺いたいと思うのですが、何をコンセプトにしたのですか?

郷司 聞こえのことで悩んでいらっしゃる方、

   困っていらっしゃる方が安心して立ち寄れる場所。

   というコンセプトで作りました。

   ちょっとした心配でも、こんなこと聞くのが恥ずかしいけど、

   というお悩みも私たちとお話する中で、

   一緒に、その方にとって必要な解決策を見つけるという意味での拠り所に。

   という安心感をイメージしてます。

山崎 だからグリーンが多かったり、ちゃんと相談できるスペースがあったりとか

   そういうところを大事にしていらっしゃる?

郷司 はい。もう1つ、ご近所の方や、補聴器に携わっている同じ業界の方も、

   集まって仲間を作って行く、同じ課題を持っている仲間を

   作れる場所にしたいな、という気持ちがあります。

山崎 あ、じゃあお店での勉強会なども考えていたり?

郷司 はい。みなさんの集まれる場所にしていきたいので、

   勉強会、講演会を予定しています。

山崎 僕らのイメージしている「補聴器のお店」と、かなり違いますもんね!

   外の看板にも「補聴器」って書いてあるのが一般的で、

   中に入ると色々なメーカーさんのカタログが

   あるのが一般的ですけどJINOは全然違いますね。

郷司 そうですね。

   あえてそれをちょっと外してみようと言うチャレンジでもあります。

山崎 最初に店舗にいらした方ってどんな風にお迎えされるんですか?

   こういう補聴器がありますよ、というようなお話から入るのでしょうか?

郷司 いえ、JINOではお客様の「必要」に寄り添うことを大切にしたい

   考えているので、何を悩んでいらっしゃるのかを

   ご自身でも分解していただくというか、

   改めて言葉にしていただいて、ご自身には何が必要なのかを

   納得していただこうと考えています。

   なので、最初はしっかりご相談を受けて、色々な測定をしたあと、

   何を選択するかという段階で、初めて

   補聴器などの器械が出てくるものと思っています。   

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グリーンを多く配置した店内。聞こえや音に関する書籍の貸し出しも。

必要な選択肢を主観的・客観的の両面から選んでいく

山崎 まず、「耳に違和感があるな」と思ってJINOに来店されたら

   具体的には最初に何から始めるのでしょう?

 

郷司 まずは日常生活でのお困りごとを伺います。

   それと現在耳鼻咽喉科で治療を受けていらっしゃるかどうか

   の確認をさせていただきます。

   もし何か治療中であれば治療が完了した後でないと、

   器械を使うことが難しいので。

   特に治療中ではないお客様でしたら、

   今の耳の聞こえの状態を、聴覚測定といって補聴器を合わせるために

   我々が専門家として許可されている検査があるので、

   それをさせていただきます。 

   その際にオージオグラムと言って、縦軸が音の大きさ、

   横軸が音の高さ低さを表す表があるのですが

   その表に当てはめて現在の状態を説明させていただきます。

山崎 この辺が聞こえにくいから、この部分をサポートしましょうか、

   という説明をしてもらえるんですね。

郷司 はい。そうです。

   まずその今のご自身の状態をまず受け容れてというか、認識していただいて、

   実際の生活のなかでのお困りごとと照らし合わせて

   「その場合はこういう手段がありますよ」とお話を進めさせていただきます。

山崎 なるほど。話を聞いて、補聴器を使ってみたいなって思って、

   買って使うまでのプロセスは、どのように進むのでしょう?

郷司 ご存じないことが多いと思うのですが、昔は結構、とりあえず買ってもらって、

   使ってみてから合わせていきますよ~

   みたいな売り方をされていることが多かったと思うんですが、

   まずは器械を借りてトライアルからですね。

山崎 まずサンプルを使ってみるということですか?

郷司 はい。必ずレンタルの器械をお客様の聴力に合わせた状態でお貸し出しして、

   実生活で使いこなせそうか、という体感をしていただきます。

   大体その耳の能力がその補聴器と言う新しい環境に慣れるのに、

   少なくとも2週間みていただいています。

山崎 眼鏡よりも、時間がかかるものなんですね。

郷司 そうですね。眼鏡も老眼鏡とか、新しいものをつけるのって

   時間がかかると思います。

   焦らずに時間をかけて、自分の脳の中の記憶している情報と、

   器械がくれる新しい情報に違和感をなくしていく

   というプロセスがとても大事です。

山崎 そうですよね。確かに、聴覚は感覚ですもんね。

郷司 次に補聴器をつけた時と、つけていない時に、

   どのくらい聞こえ方に差があるかちゃんと測定して

   数値で出させてもらっています。

山崎 これくらい聞こえるようになっているって数値で出すことが出来るんですね!

郷司 はい。とっても大事なので、その設備をJINOではちゃんと整えてあります。

   数値を確認して、効果があるので実際使ってみてはどうでしょうかと

   言うお話をしてご本人がそうしたい、

   と思われたら購入に至るという流れですね。

山崎 ちゃんと効果が見えてから買うことが出来る、ということなのですね。

   逆に言うと試してみないで買うべきではないというか。

   いきなり買ってください!という購入の仕方ではないということですね。

郷司 いきなり買ってしまうのは危険かなと思います。

   難聴の形にもいろいろあります。

   補聴器だけで解決できないタイプの難聴の方もやっぱりいらっしゃるので。

   私たちも適宜、耳鼻咽喉科の補聴器専門医の先生や

   言語聴覚士の先生と相談のうえで、その方に合わなければお勧めもしません。

山崎 それは聞こえ方の問題ではなく脳の認識力とそういう問題で?

郷司 それもありますね。その部分を見極め、効果をしっかり数値で確認する、

   そして、ご自身にとって合う方法を選択するので

   「試聴をする」「効果を測定する」というこの2つがとても重要です。

山崎 なるほど。良く解りました。

   それで、実際購入した後のメンテナンスとかっていうのも大事ですよね?

   精密機械ですもんね。そういったサポートもしっかりやってもらえるんですか。

郷司 はい、もちろんです!

   使い方が解らないとか、調子を少し変えたいとか、

   どんなことでも教えていただきながら一緒にベストな状態を求めていきます。

   具体的にはJINOではレッスンブックというものを用意していて

   交換日記のような形で毎日の聞こえの状態をお伺いしながら

   お客様と一緒にお客様にとっての最良の状態を

   作り上げていきたいと思っています。

 

 仲間を増やしていきたい

山崎 会社の設立のお話でもお伺いしましたが、JINOという会社は、

   補聴器を売るということだけじゃなくて、聞こえの課題全般に対して

   社会に色々なことを伝えていきたいっていう部分もあるということでした。

   店舗での勉強会や講演会がその機会になっていくのですか?

郷司 はい。そうやってコミュニティを作っていきたいなと思っています。

   会社や店舗の存在意義って、点で存在している人たちを

   つなげていくハブのような役目を持っているのかなと考えています。

山崎 同じ思いを持つ人同士がつながってコラボしていったりできると

   新しいことがたくさん生まれていきそうですね!

郷司 はい。JINOだけでできることには限界があります。

   聞こえの課題をゼロにしたい、という目標に

   沢山の方仲間と一緒に実現に近づけていきたいなと思っています!

山崎 楽しみです!

郷司 ありがとうございます! 

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お店の前で

 

山崎さんのインタビュー、後編は以上です。

インタビューをしていただいて改めて

聞こえに困っていらっしゃる方の拠り所をお客様と一緒に作り上げていきたい、

という思いを新たにしました。

 

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お気軽にご連絡いただけましたら嬉しいです1

 

本篇もお読みいただきありがとうございました!

 

JINO GOJI