実は高度?なオヤジギャグと、言葉の聞こえについて
若い方はあまり使うことがないかもしれないのですが
オヤジギャグといわれるジャンルのダジャレがありますよね。
皆さんがお好きかどうかはわかりませんが・・・
「布団がふっとんだ!」
「トイレに行っといれ!」
「電話にでんわ」
などなど。ざっと思いつく、良くあるオヤジギャグといわれるものを
挙げてみましたが、このダジャレの言葉遊びってものすごく高度ですよね!
いや、くだらないでしょ、、と思われるかもしれないのですが。笑
言う人も聞く人も、その言葉の対象を理解していて、
かつ言葉を聞き取って、その意味の共通認識があるからこそ
成り立つのがジョークだと思うんです。
なぜ、オヤジギャグの話を始めたかと言いますと
言葉遊びがとっさにできる頭の回転の速さがすごいと思うのと、
言う人と聞く人の共通認識があって初めて通じるという、
言葉のダジャレというのが、高度なものだと考えたときに
その言葉が聞き取れなかった場合に、どうなるかなと考えたためです。
以前Panasonicさんが三省堂さんとお作りになったプロジェクトで
聞き間違えない国語辞典 というものがありました。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれないですが、
2017年3月3日の耳の日に合わせて実施されたプロジェクトで
(2018年3月まで公開されていて今現在は公開が終了してしまっています。)
聞き間違えやすい言葉が身近に沢山あるということを
視覚的に紹介して、「ことばのバリアフリー」を目指す というものでした。
私たちのように、補聴器や、聴覚に課題を持つ方と
接する機会の多い仕事をしている人のなかでは
定番の聞き間違いとして、
「さとうさん」「かとうさん」
「いちじ」と「しちじ」
といったキーワードがあがります。
この言葉の聞き間違いにはちゃんとした根拠があります。
言葉の成分、
あ・か・さ・た・な というのを音素といわれる音の要素に分けたときに、
わかりやすくなるのでローマ字で示しますと
A・KA・SA・TA・NA となりますよね。
このAとかIとかいう、いわゆる母音といわれる音は
比較的聞きやすい人が多い音なのですが、
KAのK、SAのS、TAのT、NAのNといったいわゆる子音は
音の聞こえの中でも、高めの音域に要素が含まれる音に分類されるので
特に高齢の方など、高い音が聞き取りにくくなられる人には
聞き間違いしやすい音なんです。
先ほどの「さとうさん」「かとうさん」もSAとKAの違い=S・Kの違いです。
このような聞き間違いが起きると、ジョークも楽しさがなくなってしまうし
名前を呼ばれていても気づけない などの不便さにも繋がってしまいます。
ご自身で、最近聞き間違いが増えたなあ~とか、
ご家族に最近聞き返しが増えたなどの様子が見られたら
補聴器外来のある耳鼻咽喉科で、聴力測定と聞こえの測定(語音弁別検査)を
受けて見られてください。
(ご参考:日本耳鼻咽喉科学会のHPに各県の補聴器専門医の先生が紹介されています。)
必要な音の情報が届かない聴力の状態でしたら、
器械で補助することで、色々な楽しさも補完できると思います!
もし周りにジョークが笑ってもらえなくなった人がいたら
もしかしたらそれがつまらないわけではなく、
しっかり伝わっていないだけかも・・・
伝わらなかったからと言って落ち込んだり怒ったり、誤解したりせずに、
聞こえについてお話してみられてもよいかもしれません!
とはいえ、オヤジギャグ自体が楽しくないという若い人も増えているらしいので
配分はお気をつけて^^)