みみの会社のブログ_JINO

耳に関するヒト・モノ・コトについてご紹介するブログです。

今更、鬼滅の刃のこと

この記事は
鬼滅の刃で注目してほしい指文字の役割
・「想い」の仕事
について紹介をしています。

kimetsu.com

 

<原作と短編集の読破をおススメ>

節分にもそこかしこで目にした鬼滅の刃の主役、

炭治郎の緑×黒の羽織や、

鬼になった妹、禰豆子のピンクの麻模様の着物。

 

皆さんは、作品を何かご覧になりましたか?

マンガの原作は23巻で完結、ファンブックが2冊

(第弐巻は2月4日に発売されたばかり)

別の作者さんが書かれた外伝が1冊。

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難聴をお持ちの方のオンラインコミュニケーション、サポートツールとして使ってみた2つのアプリについて

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<国際交流もできちゃう マイクロソフト トランスレータ―>

長いタイトルになっちゃいましたが、

まず1つ目がマイクロソフトトランスレータ

 

先日、難聴者協会の活動を精力的に実施されている

ステキ女子からご招待をいただいて、

フィリピン、イスラエル、イギリス、カナダ、日本の難聴を持つ方々の

オンライン交流会に参加させていただきました。

 

難聴の度合いも、使っていらっしゃる機器や言語も様々な方々の交流会で

ものすごく感動したのは、皆さんの機器の使いこなしっぷりでした。

 

ベースとして使われていらしたのはZoom。

そこで同時に文字チャットとして、トランスレーターを使用。

これが優れモノで、自分の国の言語と変換したい言語を選んでおけば

入力ごとにほぼタイムラグなしで翻訳を表記してくれます。

入力は音声でも文字でもOK。

 

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小学校でオンライン講座を開かせていただきました!

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お子さんたちのキラキラ空気に癒される

新年があけて気づいたら20日以上経過しておりました。

皆様本年もよろしくお願いいたします!

 

さて2021年最初の講座として、

先日、埼玉の公立小学校で聴覚障害やその解決方法の選択肢について

オンラインで授業をさせていただきました。

元々こちらの小学校の保護者の方が

前職のメーカー勤務時の同僚だったというご縁で

このような機会をいただきました✨

改めてステキな機会をありがとうございました🎶

 

お子さんたちの素直な反応がと~~~ても可愛らしく

ついつい、「あ~かわいい」という心の声が無意識に漏れてしまい(恥)

オンラインで話すときに気を付けなければいけないことが追加されましたが💦

 

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2020年に沢山あった嬉しいことについて

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この記事は2020年を振り返って、補聴器や聴覚関係の嬉しかったニュースをご紹介しています。

<振り返り>

12月25日ですね。時間が経つのが早すぎで焦りを感じております。

2020年は色々なイベントごとも、季節の移り変わり行事も

あまり楽しむことが出来ない状況ではありましたね。。

 

皆さんにとってはどんな一年でしたか?

今回は2020年のJINOにとって、

嬉しかったことを、ニュースと、出来事に分けて

備忘録的に残しておきたいと思います。

 

<嬉しかったニュース>

アメリカンガールの人形に初めて補聴器ユーザーの女の子が選ばれたこと

www.hearinglikeme.com

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障害への理解について思うこと

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この記事は聴覚障害のグラデーションについてと

障害を知って理解することの方法について書いています。

 

12月に入ってめちゃくちゃ寒いですね。

ようやく冬本番な感じでしょうか。

 

様々な立場の人がそれぞれ精一杯

毎日を乗り越えようとしているなか

また4月のように、世の中の空気が

人にやさしくなれないモードに入ってしまいそうな感じに、

もうアレはやだなあ…と思っているのは

きっと私だけではないはず…

皆様は健やかにお過ごしでしょうか。

 

寒さが身体に堪えますので

くれぐれも健康第一でお過ごしでありますように。

 

<聞こえない人=手話が出来る人 という誤解方程式>

障害という言葉は個人的にとても好きではないので

聴覚障害者という言葉も好きではないのですが

聴覚に何らかの課題を持つ人=聞こえない人=手話が出来る人 

というよくある誤解方程式をご存じでしょうか。

 

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あなたの耳は20/20?

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この記事は聴力のグラデーションについてと

グラデーションを広く知ってもらいたい という

Hearing Trackerに掲載された記事についてご紹介します。

 

<「難聴」という言葉>

先日Hearing Trackerというアメリカの会社のHPに掲載された記事が、

いつもJINOで実現したいと事あるごとにお伝えしている

『視力のように、自分の聴力を言える人を増やしたい』

という取り組みについての紹介でした。

 

元記事内(本ブログに訳文掲載いたします。)にもあるように

難聴というと、手話が使えるのね!と言われたり

補聴器を使っていると、四方完全な聞こえ方をする、

と思われてしまったりします。

 

その理由の多くは社会の大多数の人が

自分の聞こえ方、にあまり興味がないから。

数字に関して言えば、難聴の当事者の方でも

ご自分の聴力を数字で正確に覚えている方は少ないです。

 

ご自身の聞こえ方について

感じ方と、数字=主観と客観 の

両方で知ることは、その方にとっても有益なのですが

残念ながらあまり浸透していないんです。

 

その現状に啓発活動として始められたのが今回ご紹介する

“Hearing number”という取り組み。

 

記事の翻訳を下記に紹介します。元の記事はこちら↓

www.hearingtracker.com

翻訳掲載についてはHearing TrackerのDr, Baileyに許諾いただいています。

 

以下翻訳(意訳も含みます)

<Hearing numberは難聴を説明するのに役立ちます>

「難聴」という言葉は複雑な概念を表現するための言葉として少し難しく不正確です。

私が難聴を持っていると周りの人に説明するとき、私は全く音が聞こえないから手話が必要だと思ってくれて、手話を使ってコミュニケーションを取ってくれることがあります。逆のことも起こって、補聴器を使っているのでどんな音も完璧に聞こえると思われてしまう事があります。

難聴の当事者である私たちからすると、この2つの状態の間にいるのが私たち。ある状況ではよく聞こえても、違う状況では聞こえに苦労することがあるので、それを体験したことのない人に伝えても混乱させてしまうことがあります。

 私たちの難聴の状態を他の人に説明するのはとても難しく、どんな言葉で説明するのが良いのか、実際にどれほどの難聴なのか、ということを言葉に表現するのは難しいものです。

また、「軽度」とか「重度」といったような難聴の度合いについての説明はその状況を想像する力に依存する部分がとても多くて、私たちが難聴を持つことによって家族や友人、同僚などとのコミュニケーションに悩みを持ったり、孤立感を感じてしまったりする状態を上手に説明するのにもっと良い法王はない物か、ということは常々思っている事でした。

 

<“hearing number”って?>

今年の10月にいくつかの難聴企業と非営利団体とが協力して、Hearing 20/20 という新しい公衆衛生のキャンペーンを始めました。その開始にあたって一つの提案がありました。視力で用いられる20/20※という標準値と同じような客観的な数値を聴力にも当てはめ、それを社会の人々が皆知っていている状況がベストである、という提案です。

アメリカで視覚検査をする際に使われる数値(20フィート(約6m)離れた場所から検査をするそう。20/20は平均的な視力(日本の視力検査でいうと1.0と同等)のこと。

 

聴力の検査において、使用される数値はデシベルという単位を使います。(※注 これは日本でも全く同じです。)26dB~40dBが軽度・41dB~60dBが中等度という形で区分されるので20dBという数字は視力で言う20と同様に、平均的という意味を持ちます。

※Hearing numberのテスト<リンクURL>:

hat.soniccloud.com

 

<Hearing numberは機能する?>

私はこのより客観的な難聴の測定する値を作って周りの人とコミュニケーションを取りやすくするというアイデアがとても好きです。

そしてこのHearing 20/20のキャンペーンの一番の目的は、この数値という客観的な数値を知ることで、より専門的なクリニックでの聴力検査を受けるように動機づけをすることです。

聴力は複雑で、クリニックでのしっかりした検査では複数の高さの音(注釈:主に125、250、500、1000、2000、4000、8000Hzの周波数で計測します。)を調べる必要があります。

このHearing 20/20ではそこまでの詳細を知ることはできません。

ですが、このプログラムは2つの重要なメッセージを持っています。

1つは聴覚のケアをすることは、体全体の健康の維持にとっても大切であって、定期的にしっかりとその変化を見守っていく事が重要だという気づき。

もう1つは、難聴を持っている人やその周囲の人たちがその状況を理解しやすいように、聴力というものに対してわかりやすく示すことの出来る方法を見つける必要があるという啓発です。

この活動を見てとても嬉しく思っています。

 

シャリ・エバーツ

Hearing health advocate

 

記事の翻訳は以上です。

 

この記事を書いたシャリさんは、

聴覚ヘルスケアの啓発家(日本語にするとなんかややこしいですね。)であり、

文筆・講演をする傍らビクラムヨガの推進家だそうです。

またLivingWithHearingLoss でブログを書いていらっしゃり、

アメリカ難聴協会の理事もなさっているそう。

 

シャリさんご本人は成人で発症された遺伝性難聴で、

彼女の話を共有することで、

他の人が自分の聴覚に関わる問題に対して

平和に暮らせるようになることを願って

色々な活動をされているそうです。

 

<当事者の声、自分ゴト化への希望>

今の社会では大多数の人に合わせて色々なものが作られる傾向にあります。

解りやすい例でいうと、多くの製品が右利きの人に使いやすく出来ていて

左利きの人には使いにくいものが沢山あるような。

 

私の家族で言えば車いすの人にとって街中は、

歩ける人には気づきづらい段差だらけで大変疲れます。

聴覚障害を持つ人にとっては、

電車の突然の遅れが目で分かる情報がなければ

何が起きたのかを知るのに不安ばかりになったりします。

 

様々な障害はもちろん、ベビーカーを使う親御さんにとっても

杖を使って歩く方にとっても、その人の立場から見ると

実は至る所に不便や不都合が埋まっています。

 

当時者になってみないと気づかないことだらけで、

自分が当事者でなくなってしまえば

意識の外に出てしまうようなことも沢山。

 

今回ご紹介したキャンペーンのように

誰もが過ごしやすい環境を社会みんなで作って行けるような

気づきの提案はもちろん、

仕組みそのものを色々な立場の人の目線に立って作ることが

当たり前な社会になったらよいな、と思っています。

 

沢山の当事者の方々に声を挙げていただいて

当事者の周囲の人間が気づいていって

少しずつ良い方に変化していきますように。

 

お読みいただきありがとうございました。

ご意見・ご感想などもお待ちしております!

 

JINO GOJI

副大統領になるカマラ・ハリスさんと、11月10日のGoogle Doodle(津田梅子さん)について思うこと

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この記事は 未来の子どもにのこしたい選択肢の可能性について書いています。

<性別と役割>

気づけば11月・・・

時間が経つのが早すぎて恐ろしくさえあります。

寒くなってきましたが、皆様体調お変わりなくお過ごしでしょうか。

 

4年に1度のアメリカの大統領選挙も、

当人以外の方の納得の上で先に進んでいる様子。

 

わたしは個人的に、大統領候補のお二人のケンカのような言い合いに

辟易したので、正直もうどっちでも…というお腹いっぱい感があったのですが

(他人事でアメリカ国民の皆さんには申し訳ないですが)

興味があったのは、リベラルが勝利すれば

女性初の副大統領に就任することになるカマラ・ハリスさんでした。

 

彼女の演説に感動された方も、

批判されている方も多くいましたが

皆様にとってはどんな風に感じる演説でしたか。

 

BBC放送の字幕付きの演説映像はこちらから

www.bbc.com

 

ニュースなどではこちら↓の文章が良く採用されていたので

この部分は多くの方が目にされているかと思います。

 

演説の終盤、自分の母親についてのメッセージを述べたあと

『ジョー(次期大統領)はバリアを打ち砕くことができました。

女性を副大統領候補に選んだのです。

私が初の女性副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。

すべての幼い女の子たち、今夜この場面を見て、わかったはずです。

この国は可能性に満ちた国であると。

私たちの国の子どもたちへ、私たちの国ははっきりとしたメッセージを送りました。』

という発信をしました。

 

4年前、ヒラリー・クリントンさんが大統領選挙で敗戦した時に

「厚いガラスの天井は自分に続く誰かが砕く」という

敗北宣言のメッセージを残して、4年。

大統領ではありませんが、同様の要職に就任したハリスさんの

熱いメッセージに、私は個人的にとても感動しました。

 

もちろん、政治の世界なので、色々な計画もあったことでしょう。

肌の色を逆手にとって、Black Live Matterの問題に対しての

答えを見せよう!という意図があるかもしれませんし

Metooの流れに対しても乗っておこう、ということも考えているかもしれません。

 

それでもどんな背景であれ、新しい役割の可能性が、

アメリカという大国の政治の中枢まで進んだことは歓迎したい、

と素直に思います。

 

欧州の北のエリアでは女性の政界進出は進んでいて

多くの国で政治の仕事に対しては性別による

役割分担に意味が無くなっています。

残念ながら日本ではいまだに男性が数で圧倒的多数ですが。

 

それが良い・悪い という2項対立の議論ではなく

性別という役割分担についての価値観が変わってきていることを

受け容れてもいいのに、という議論をしていきたいといつも思います。

性別の区別は、私のライフワークである、

「障害」という言葉が生む差別にも繋がる側面を持つためです。

 

<津田梅子さんごめんなさい>

ところで今日、2020年11月10日のGoogleのDoodleを確認されましたか?

g.co

 

2024年、お札の顔になることで

改めて近年脚光を浴びていらっしゃる津田さん。

 

津田塾大学創立者であり、

6歳(!)で海外留学に渡るという経験をされ

生涯を女性の教育・地位の向上を目指して活動された方。

 

140年前に、「女性は教養がない方が良い」

「早く結婚して子供を産むべし」的な思想に

嫌気がさしていたという逸話。

 

今もまだそのまんまです、無力でスイマセン。。と

当時必死に改善しようとしてくれていた先輩方に

しょっちゅう謝りたくなる日々です。

 

きっと、世界の状況は草葉の陰から

喜んで下さっているに違いない。

そして日本も続けばいいのに、と思っていらっしゃるのでは。。なんて思います。

 

<区別と差別>

未だに履歴書には男女を書く欄がありますし

「男のくせに」「女のくせに」という類の言葉も

「男らしく」「女らしく」なんて台詞も日常に溢れています。

 

性が異なれば身体の機能は異なりますから、違いはあります。

違いは「差」ではなく、ただ違うだけ。

障害も同じだと思っています。

 

人間は動物なので、動物としての本能が

自分と違うもの、を異質なものとして

己の身を守るために排除する傾向を持つことは理解しています。

 

それでも、社会的な動物である以上

他者と関わらずに生きていくのは難しいのだから

相手を見るときに「その人の役割」ではなく

「その人」を見ることが出来ないものかな~と思っています。

 

科学者のアインシュタインの言葉と言って残されているものに

「常識は18歳までに身につけた偏見のコレクション」

というものがあります。

tabi-labo.com

 

脳が柔軟な時についてしまった偏見を

脳が硬くなった大人が無くしていくのは

解っていても難しいという事をすごく解りやすく表現していて、

私も意識して気を付けようと思っている言葉です。

 

私自身、両親やその両親、

成長の過程で様々な人の思想と触れてきて、

様々な偏見のコレクションを持っています。

 

「偏見がない」と思ったことはないですし

海外旅行に行けばついつい「フランス人は冷たい」とか

「イタリア人は女性に優しい」といったステレオタイプの発言をしがちです。

 

それでもその自分の偏見のコレクションを

なるべく外して人と対峙できる自分でありたい、と思っています。

そして未来を生きていく子ども達にもそうであって欲しいと願っています。

 

大人が変わるのは難しいから、過度の期待はせず。。。

でも今日のような日(津田梅子さんが話題にあがった日)には

メッセージとして発信しておきたいと思いブログにのこしてみました。

 

聴覚障害があるから、これが出来ない、とか

あれは難しいからしない、ではなく

「自分」が何をしたいのか。挑戦してみたいのか

という目線で物事を選択してける子どもが増えて欲しい。

 

偏見のコレクションで満ち溢れた大人である私たちに出来る事は

その子どもの「選択肢を選択できる」可能性を潰さないこと

可能性を拡げておくこと、だと思っています。

 

JINOが会社として、どこまで挑戦できるかも、

あと何年自分の命が残されているかも分かりませんが

生きている間に、補聴器や人工内耳を日常使用する方や、

手話が母語だったりする方が、政治家として

一国を率いるようになる場面に立ち会えたら嬉しいな・・・

 

そんな日も遠くないはず。

そんな未来の夢を見てみています。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想などもお待ちしております!

JINO GOJI